タイヤ交換をする際、電動工具でボルトが緩められたらラクですよね。
しかしインパクトレンチを購入すると用途が限られるため、インパクトドライバーで代用できないか考える方も多いです。
- インパクトドライバーでタイヤ交換はできるの?
- 注意点や可能な機種もおすすめしてくれたら嬉しい
インパクトドライバーでタイヤ交換ができるか考えた方は、上記のような疑問を持たれる方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、インパクトドライバーでタイヤ交換をする際の注意点についてまとめました。
実際に交換できる機種についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
インパクトドライバーでタイヤ交換って可能なの?注意すべき点は?
結論としては、インパクトドライバーでタイヤ交換は可能です。ただしインパクトドライバーのパワー(トルク)と、どれくらいの力で締め付け力が必要かで条件が変わります。
そのためまずはタイヤ交換は可能という前提で、どういった点に気をつけていけばいいかをまとめました。
必要なのはパワー!電圧が低いと締め付け不十分なので要注意
インパクトドライバーに限らず、電動工具は「トルク」という項目が重要です。このトルクはパワーを示す値なので、どれくらいの力で効果を発揮するかがわかります。
もしトルクが弱いインパクトドライバーを使えば、タイヤ交換でナットを緩めることはできません。同時に締め付けるときも、力が足りずに緩んでしまう恐れもあります。
まずはトルクが十分な機種を選定しましょう。具体的なおすすめは18Vタイプ以上の機種です。
もし予算が許すのであれば、マキタの40Vmaxシリーズを選びましょう。HiKOKIからも36Vシリーズが展開されているため、可能ならどちらかを選ぶのがおすすめです。
パワーがあると軸にかかる負担が高く折れる恐れもある
本来インパクトドライバーは、大きなナットを緩めるような設計にはなっていません。
パワーがあるから、たまたま太いナットも緩められるだけなのです。
しかし構造自体が太いナットを締め付けるのに適していないため、使い続けた際に軸が折れる恐れもあります。
例えばインパクトドライバーの場合、軸はこのくらいの細さです。
太いナットも緩められるインパクトレンチは、下記の太さです。
どうでしょうか。明らかに太さが違いますよね。つまり伝わる力も違い、強度も大きく違います。
インパクトドライバーはそもそもの軸が細いので、ナットを緩められるソケットを使っても軸が細いままです。
車は高速で移動し、質量もかなり大きなものとなるでしょう。その駆動部分を支えるタイヤは、とても大きな力を必要とします。
長く使い続ければ間違いなく軸への負担は大きいため、通常のインパクトレンチを使用するより折れやすいと考えておいてください。
インパクトドライバーでタイヤ交換をしたい!おすすめの機種をご紹介
では実際にどの機種を使えば、タイヤ交換ができるのか気になりますよね。
そこで実際にインパクトドライバーでタイヤ交換をしている方を参考にし、機種をまとめてみました。
インパクトドライバーでタイヤ交換を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
マキタ TD172D
マキタのTD172Dは、2021年1月に発売された新型のフラッグシップ機です。
最大トルクは180N・mで、インパクトドライバーの中でもかなりパワフルな仕様となっています。
実際にタイヤ交換をされている方の動画も見てみましょう。
108N・mで締め付けているタイヤも、難なく外せています。
これくらいのトルクがあれば、普通車のタイヤ交換も問題なく行えるでしょう。
マキタ TD001GRDX
マキタのTD001GRDXは、電圧40Vmaxシリーズのフラッグシップ機です。
トルクは220N・mと非常にパワフルで、タイヤ交換も安定したパワーを発揮します。こちらも動画で交換されているので見てみましょう。
こちらは103N・mで締め付けられているものを緩めています。
40Vmaxシリーズであればパワーは申し分ありません。ただし価格も高めなので、予算がある方におすすめです。
HiKOKI(ハイコーキ)WH36DC
HiKOKIのWH36DCは、高電圧36Vに対応した製品です。
トルクは200N・mほどとなっています。こちらもタイヤ交換をされている方がいますので、見てみましょう。
上記の動画は108N・mで締め付け後、1000kmほど走行したものを緩めています。
HiKOKIの製品もなかなかパワーがあるので、気になる方はぜひチェックしてみましょう。
インパクトドライバー本体だけではなくソケットも重要!
インパクトドライバー本体はもちろんのこと、装着するソケットの強度も必要です。
対応する電圧に適したソケットを使用するのが良いでしょう。下記は18V対応のソケットです。
さらに強度を求めるなら、40V対応のソケットを使用してください。
価格が問題なら安いインパクトレンチを買ってしまうのもあり!おすすめ2機種を紹介
見ていただければわかるように、タイヤ交換もできるインパクトドライバーは相応のパワーが求められます。
そのため現在インパクトドライバーを持っている方は、手持ちのものじゃ対応できない可能性が高いです。
かといって追加で購入するにしても、少々高いよなぁ…。と思う方もいらっしゃるでしょう。
そこでインパクトレンチでも格安なものを購入すれば、費用は安く抑えられるかもしれません。
高儀 EARTH MAN infini-Link IW-180LiB
高儀のアースマンは、非常にお買い求めやすいシリーズをラインナップしています。
上記で紹介したインパクトドライバーはいずれも3~4万ですが、高儀の製品は半額ほどで購入可能です。
実際にタイヤを交換している方もいらっしゃいます。
こちらならかなり安く購入できるため、ぜひタイヤ交換を考えている場合はおすすめです。
ただしカーボンブラシを使っているモーター搭載なので、始動時に内部で火花が散ります。少し焦げ臭いのが気になる方は、ブラシレスモーター搭載の製品を購入しましょう。
KIMO 20V コードレスインパクトレンチ
さらに安く手に入る製品と言えば、KIMOから販売されているインパクトレンチ。
こちらは高儀の製品からさらに半額ほどで購入可能です。ただしよくわからない海外製のインパクトレンチを使いたくないという方は、購入しないほうが良いでしょう。
能力としては、100N・mほどのものであればラクラク緩められます。
価格も安いので、非常におすすめできます。またKIMO製品はインパクトドライバーやレシプロソーもあり、拡張性は十分です。
インパクトレンチをインパクトドライバーとして使うのもあり?!
インパクトドライバーをレンチとして使用できないか考える方は、そもそもインパクトレンチの用途が限られる部分を気にしているはずです。
一度インパクトレンチを購入してしまうと、あまり頻度の高くないタイヤ交換限定になってしまう。そういうムダを抑えたいでしょう。
そのためインパクトレンチに下記のようなアダプターをつけて、インパクトドライバーとして使用するのも一つの選択肢です。
つまりインパクトドライバー→レンチの逆発想ですね。
ただしどうしてもガタツキは出てしまうため、精度を求める場合には少々合わないかもしれません。
DIY程度であれば、逆にインパクトレンチを購入してインパクトドライバー化したほうが良い場合もあります。
電動工具でタイヤ交換をする際はオーバートルクに注意!締め付けすぎないようにする
インパクトドライバーに限らず、電動工具でホイールナットを締め付ける際はオーバートルクに注意しましょう。
つまり規定以上の力で締め付けすぎてしまう状態です。
ホイールナットは締め付け不足でも、締め付け過ぎでもよくありません。
そのため締め付けを行う際は、仮止めをして最後にトルクレンチで締めるのが良いでしょう。
まとめ:インパクトドライバーでタイヤ交換は可能!注意点を踏まえて自分に合った選択を
インパクトドライバーでタイヤ交換は可能です。しかしもともと軸が細く、ホイールナットを緩めるように作られていません。
もし用途を限定した工具を持ちたくないのであれば、選択肢は下記の2つです。
- トルクのあるインパクトドライバーを購入する(価格高)
- インパクトレンチにアダプターをつける(価格安)
ただしすでにインパクトドライバーを持っている場合、スペックが足りない場合もあります。
その場合は新たにインパクトレンチを買い足すか、インパクトドライバーを買い直すかの選択肢となるでしょう。
もしインパクトレンチを買い足すのであれば、安い製品でまかなうのもアリです。
ぜひ自分の状況に合った選択を行ってくださいね。